カテゴリー
計画の概要

函南町は不同意

このブルーキャピタルですが、電気設備を作るまでがブルーキャピタル。そして、売電はトーエネックということでこの2つの会社で契約が交わされています。ですからブルーキャピタルは施設だけを作って後は手を引いてしまうということが決まっているということです。

メガソーラーに開発にはいろいろな許可や認可が必要となります。
函南町のメガソーラーのポイントはふたつあります。

ひとつは函南町の土地利用指導要綱です。
これは中が「事前協議」と「本申請」のふたつの部分に分かれています。
今回はこの事前協議の段階で町とブルーキャピタルが話を行っています。

もうひとつは県とのやり取りです。
こちらは森林法による林地開発というものです。

どちらも行政側は結果を事業主に伝えなければなりません。
本申請は「承認」か「不承認」です。林地開発は「許可」か「不許可」です。
この「土地利用指導要綱」と「森林法による林地開発」という言葉を頭に入れておいてください。

それでこの1年の動きですが、静岡県の林地開発と函南町の土地利用との関係ですが、昨年10月31日に事業者は林地開発の申請を出しました。そしてその出された申請は3月13日に県の森林審議会というところで審議が行われました。

ここでOKかどうかということを結論づけますが、ただここの結論がそのまま林地開発の許可に繋がるわけではなく、県はこの審議会の結論を持って更に検討を重ねて最終的な許可か不許可を出しますが、その許可が出たのが7月8日です。
林地開発の方はもう県の許可が下りました。

それに対して、町の指導要綱の方です。
こちらは12月25日に土地利用の事前協議の書類を函南町は受理しました。
5月24日にこの事前協議の結果として「不同意」という結論が出ました。
ただ、これは会議での結論であって函南町としての正式な結論はこの後の5月27日の「企画会議」という函南町の最高決定会議の中で事前協議会の結果を受けて「不同意」としました。

それでこの函南町の事前協議の流れですが、これは私が情報公開請求で議事録を全て集めました。
そうすると議事録は12月28日から5月24日の6回目の「土地利用対策部会」という会議で「不同意」という結論を出しています。

この会議の手前で5月21日には「土地利用調査委員会」という委員会が開催されました。
これは外部の識者を交えて、町が参考意見として求める会議です。こちらでも「不同意」という結論が出ています。
この結論を受けて6回目の対策部会で「不同意」という結論を出しました。
そしてこれを受けて「企画会議」で「不同意」を決定して、町は正式な結論に至ったという流れになっています。

結局第1回目の対策部会からこれだけの長い時間を経て不同意に至ったということなんですが、議事録をみて感じたのは、「やはり地元軽井沢が不同意だから不同意だろう」という感じの流れが非常に強かった。これは軽井沢区としては非常にありがたかったですね。

軽井沢として賛成か反対かはっきりと答えが出ていないのに町として同意するのはいかがなものかというのが土地利用の「調査委員会」でも「対策部会」の中でも話し合われていました。そして結果的には「不同意」という結論が出されました。

したがって今現在は、県の方は林地開発の方は許可になりましたが、町の方はこの「事前協議」が不同意ということです。
ですから当然この事前協議の次のステップである本申請に進むことができないという状態です。

これがこれまで1年間の大きな動きです。

カテゴリー
計画の概要

常套句は「地元の同意は必要ありません」

中部電力グループのトーエネックが計画する巨大メガソーラーは、できるだけ地域を限定し狭いエリアだけで説明会を行った。
住民の理解を得るためではなく、諦めさせるために。

この事業を進めにあたってブルーキャピタルの動きですが、とにかく彼らは綿密に戦略を練って土地の取得から動いていました。

彼らは全国的に事業を行っていますので住民対策が非常に豊富です。
一方で我々は非常に不慣れです。情報も不足しています。完全に「やられてしまったな」という感じです。

彼らがやっていたのはソーラーの説明はできるだけ地域を限定するということです。そして他に広げない。
下流域に詳しい説明は殆どありません。特に田方平野の平坦地、畑毛区、柏谷区、仁田区の区長には挨拶程度で事業の詳しい説明は殆どしていません。

つまり本当に狭いエリアだけに説明をして他のところには殆ど説明がなされていない。ですから、いろんな方から何も知らないとか話を聞いていないと聞くのは実はこの彼らの戦略のひとつの現れでもあるのです。

住民への周知ですが、彼らは必ず決まった文言で接触して来ました。

「地元の同意は必要ありません」

確かに函南町の指導要綱の開発の手引書には「周知をしなさい」という文言しか書いていません。「同意を得なさい」とは書いていません。
彼らはそれを逆手に取って「もう周知だけでいいんだよ。同意を得なさいとは書いてないから同意はいりません」という風に言葉をうまく使います。そして「従って許可は必ず出て事業は始めます」こう言われたら我々は不安ですよね。もう事業は必ず行われてしまうんだと・・・。

「同意は必要ない」と繰り返し、住民の不安をあきらめに変えさせたということです。
その不安が協定書を結ばせる方向に向かわせてしまった。そういう地区が丹那地区ということだと思います。

ただ我々も反省すべきところはいくつかあります。
昔に比べて地域コニュニティーの機能が弱体化してきています。情報の共有が本当に弱かった。
例えば軽井沢区と丹那区と、あるいは田代区と区長どうし、あるいは住民が情報を共有して今の状況がどうか、そういう動きがもっと早くからあったら、もっと違ったかたちになったのではないかと思います。そういったところを付け込まれたということです。

それから町からの情報も確かに少なかった。
実は町からは平成30年の4月の区長会で、これ住民運動に発展する危険があるとか、土砂災害の危険性がありますよということが情報が提供されていました。
ところがその後、パッタリ、町からの情報はありません。もちろん町からの情報が無いだけでではなく我々も積極的に情報を集めることも弱かった。そういったことも影響していると思います。

町は、日々、ここで生活している住民の味方か?
事業を新たに始める企業の味方か?

やはり住民の安心・安全を担保するために、町は住民の味方でなけらばならないと思います。

カテゴリー
計画の概要

集落の水路を排水路として使う危険な計画

私は60数年この軽井沢で生まれ育って生活をしてきたわけですが、静岡県の理科の教員として長く働いてきまして、田方農業高校の校長として退職を迎える最後の年に業者が私の家に訪ねてきまして、ソーラーをやりたいので土地を譲ってくれないかというのが話の発端です。

それからいろいろと業者とやりとりがありまして、基本的に私は軽井沢区の同意が無ければ土地を売ることもないし協力もできませんよということで今までやってきたのですが、一時期あきらめかけて、もうこれはダメだなと、今年の春先あたりはこれはダメだと思っておりました。

ところが、ダイヤランドの皆さんが反対の動きを初められて私もやっと時が来たなと、そんな思いで今日はこの場に立っております。

 巨大なメガソーラー計画

それで今日は、町が新しく作った条例が適用ができないというようなことをいろいろなカタチで述べているわけですが、そのへんについて私が今まで情報公開請求などで得た資料を基に、思った疑問点であるとか、問題点を皆さまにお話ししたいと思います。

当然のことながら計画を進めているのはブルーキャピタル社です。
最初にうちの家に来たときは「函南メガソーラーパーク」という会社の者が訪ねてきました。
29年ごろでしょうか、ブルーキャピタルに譲渡して今現在はブルーキャピタルが事業を進めるカタチになっています。

今回計画されている土地、非常に問題のあるエリアに計画されています。
こちらの赤い文字で示したところが静岡県のハザードマップで掲載されている項目です。
いろんな災害が予想される内容をいくつかの項目に分けて、その赤い文字で書かれた項目を更に細かく記載したものがこの黄色い文字で書かれたものです。

例えば、急傾斜地の危険箇所、警戒区域で土石流の発生の危険があるとか、それからこちらは特別警戒地域の急傾斜地の崩壊。
こういったハザードマップで書かれているいろいろな文言。これ非常に分かりにくて難しい文言なんですが、簡単に平たく言えば「非常に危険性があるよ」ということなんです。そういったところやその近くに計画が予定されています。

我々、軽井沢区が一番危惧しているのはこの2つです。

・地元で道として使用していた道を縦断占用して排水する計画
・集落内の水路を排水経路として使用する計画

昔から軽井沢区は山へ行く道として使っていたその道を排水路として使う計画が出ています。
これ難しい言葉で縦断占用と呼ぶんだそうです。
道に沿って管を埋めてそこの中を水を通す排水をするということです。

さらに危惧されるのは、集落の中の水路を排水路として使う計画にもなっています。

昨年の12月に函南町に出されたブルーキャピタルの事業計画書を見ると函南町の建設課と軽井沢区からの了承済みという記述が入っています。
われわれ軽井沢区は集落の中を水を通すという話はたしかに聞きはしましたが、まったく了承などはしていません。

ブルーキャピタルの姿勢として話をしたとか周知したということが、いきなり了承されたとか納得されたという言葉に変わってしまっているということがいろんなところに見えます。こういった点で非常に不信感を感じます。

丹那地区もかなり危険なエリアに開発が計画されています。
特にこの砂防指定地というのは、土砂が崩れてコンクリートで作ったダムに土砂をせき止めるような工事を県が行っているのですが、そういったエリアの上流にかなり広い面積で開発が予定されています。

 砂防指定地区

それから土石流危険区域。土石流が発生する谷ですね。この流域の部分にもかなり開発のエリアが入っているのです。
とにかく開発そのものが山の上の作られますので、下に住んでいる軽井沢区を含め丹那区も非常に危険な計画だと言えます。

 土石流危険区域

さらにもう一つ、丹那盆地からの景観被害は本当に著しいですね。
もうオラッチェをはじめとして、丹那盆地に住んでいる方は毎朝、家のドアを開けて外に出ると北の方に巨大なソーラーパネルが目につく。そんな状況が想像されます。

(つづく)